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[製品感想文] パネポンの限界とテトバトの克服

だいぶ前になんですが、パネポンに飽きてしまいました。
あれだけ熱く燃えたゲームへの情熱がこうもぱったり止まるのも珍しい話で。
それもこれもゲーム性の限界が見えたからです。

だいぶ前にシウマチ氏が東方花映塚に関する記事で書いてあったことに重複するのですが。
パネポンは対戦相手が人間だろうとCPUだろうとやることが変わらない。
そのことがGBA版のパネポンの効率的な対戦システムによって露呈してしまいました。

パネポンやぷよぷよのような、フィールド非共有型対戦ゲーム(と名付けてみた)では、
対戦相手への干渉はおじゃまアイテムなどによる間接的な手段に頼ることになります。
ここで「間接的」というのは、自分の攻撃は別の物に変換されて相手に届くということです。
つまり、どのような操作をしようと相手への干渉は一次元的な「攻撃力」に変換され、
量こそ変化するものの、質的には常に同質な攻撃になる。
これは相手から受ける攻撃についても同様です。

従って「対戦」において工夫する余地は、攻撃の量とタイミングの調整だけになります。
初代ぷよぷよではこれが最も如実に表れていました。
すなわち、5連鎖での死亡が確定していたため、どちらが先に5連鎖をするかの競争になっていたわけです。
ただしそこは対戦の妙で、相手が5連鎖をする前に3連鎖で相手の連鎖を潰すという選択肢がありました。
この選択肢を行使して初めて、臨機応変な対応を競うゲームが開始します。

しかるにパネポンです。
パネポンは相手からの攻撃を受けても、ある程度の連鎖をしている限りは死にません。
従って、上級者同士の対戦ではもはや相手を気にせず、自分の連鎖のみに集中しての耐久戦になります。
攻撃の内容にも多少の攻撃力の差はあるのですが、多くのパネルで攻撃しても殺せるとは限らず、
パネポンにおける攻撃力は相手の連鎖を阻害する程度によって定まります。
そしてパネポンのシステムでは大連鎖ではなく、3〜4連鎖の連発が最も効果を発揮します。
しかも3〜4連鎖を連発しても、上級者なら容易に対応できてしまう程度の攻撃力でしかありません。
つまり、相手への数少ない干渉手段である「量」も「タイミング」も、システム上、その意味を大きく失してしまっているのです。
それ故パネポンの強さは、(連鎖構築力ですらなく)耐久力のみによって定まることになります。

従って人の強さもCPUの強さも、耐久力の差でしかありません。
しかし「ストーリーモード」によって相手が変化し、徐々に強くなっているような感覚を受けているうちは
ラスボスを倒すという目標があり、達成感もあり、その欠点は剥き出しにはなりませんでした。
しかしGBA版では、CPUの強さを数値で指定して対戦します。
このことは最初から、そしていつまでも最強の敵のみと戦うことができるということです。
ゲーム自体が戦略の柔軟性を持たず、相手の強さも変化しないとなれば、ゲームは非常に単調な作業になってしまいます。
しかも最強設定のCPUは、時には60分以上の耐久力を持ちます。
60分間、やっている内容は大したメリハリも変化もありません。
この「耐久力勝負でしかない」ということを曝け出してしまった点が、最大の失敗でした。
さらに「ストーリーモード」では対戦する敵キャラクターが変わっていくのが、
GBAの効率的なシステムでは敵の強さは単なる数字でしかない。
このことが単調さに拍車をかけています。
敵の強さを変えても、それは10分の耐久力が15分になるだけ。何の感動もありません。

さらに、創意工夫のいらない我慢比べであればコンピューターはとても強い。
相手が人間ならではの不規則な反応が自分に影響を与えないシステムでは、
「相手はCPUでも人間でも同じだ」という、醒めた感覚を感じてしまいます。
CPUが弱いSFC版や、強いCPUと戦うには弱いCPUを倒す必要があったGC版ならまだしも、
充分以上の強さを持つCPUといつでも対戦できるGBA版の登場によって、対人戦の魅力さえも色褪せてしまったのです。


対戦相手との干渉が大きければこのような限界は無いわけで、
フィールド共有型対戦ゲーム(囲碁等,格ゲー(含センコロ)etc)であれば基本的に
互いの行動を考慮に入れた戦いになるのでこのような問題は起こらないと思います。

ではこれは、今回たまたまパネポンが槍玉に挙がっただけで、フィールド非共有型対戦ゲームの宿命なのでしょうか?
私はフィールド非共有型対戦ゲームでありながら相手との駆け引きが重要な対戦ゲームを一つ知っています。
SFCで発売された『テトリス武闘外伝』(てとりすばとるがいでん,以下テトバト)です。
(ただし総プレイ時間100時間は下らないとはいえパネポンほどやり込んだわけではないですが。)

テトバトは「魔法」要素を付加したテトリスです。
落ちて来るピースには光る「魔法石」がたまに入っており、それを消すと魔法力が溜まります。
そして魔法力を消費することで魔法を使うことができます。
魔法は魔法力に応じてキャラ毎に4つ、攻撃,防御,それ以外の効果を持つ様々なものが用意されています。
例えば「ニンジャ」の使う「ヨセ」では、フィールドの石が右揃えになります。(うろ覚え)
他にもコントローラーのボタン配置が逆さまになったり、数ターン相手の画面が見えなくなったり、
一定時間、相手の魔法の効果が跳ね返る魔法などがあります。

しかし、テトバトの最大の「干渉」要素は魔法ではありません。

テトバトでは次に落ちてくるピースが、中央の予告部分に数個分、予告されています。
そして両者はこの予告されたピースを奪い合います。
したがって、自己のピースの落下のタイミングを調節することで、欲しいピースを取るようにする。
特にテトリス(4列消し)につかえる真っ直ぐな棒は攻撃力も高いため
(テトバトでは消した列の分だけ相手がせり上がる)
この真っ直ぐな棒(テトリス棒)の奪い合いは特に重要になります。

しかし、ここに前述の「魔法」システムが生きてくる。
ピースが予告されるということは魔法石も奪い合いになるということです。
魔法石の登場率が適当に低く、魔法のコストが適当に高ければ、魔法石の奪い合いもまた熾烈になります。
(魔法コストが高すぎると魔法を無視した方が楽になってしまう。個人的には2MP/Lvがおすすめ設定)
また、魔法を使うと(基本的に)両者とも、その時点で操作中のピースが強制的に破棄されます。
例えば相手がテトリス棒を手に入れテトリスしようとしたところで魔法を使い、攻撃を封じる。
あるいはテトリス棒を手に入れるために魔法を使って自分にピースを回す。
(ピースを破棄されると予告ピースから分配されるので、分配のタイミングを魔法のタイミングで操作できる。)

つまり、テトバトはテトリスらしくフィールド非共有型でありながら、
予告ピースを共有することで(そしてその奪い合いを熾烈にするシステムを加えることで)
極めて人間的で状況適応的な、熱い対戦を実現したのです。
2005-11-17 | コメント | Track back | PermaLink

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